新築の「コンセントの位置」で後悔しない!高級注文住宅だからこそ気をつけたい配線計画の鉄則
数千万円の予算を投じて、間取りもデザインも完璧に仕上がった憧れのマイホーム。しかし、いざ引っ越しを終えて新しい生活を始めてみると、思いもよらない場所で強烈なストレスを感じる施主が後を絶ちません。その原因の多くを占めるのが、「ここにコンセントがあれば…」「ここのコンセント、遠すぎてコードが届かない!」という『配線計画の失敗』です。
住宅情報誌やブログなどで行われる「家づくりで後悔したことランキング」において、コンセントの位置や数の不足は、常にトップ3にランクインするほどの「あるある」な失敗談です。特に、積水ハウスや住友林業などの高級注文住宅を建てる場合、部屋の美しさやノイズレスな空間デザインにこだわるあまり、実用的なコンセントの配置が疎かになってしまうケースが非常に多く見られます。
本記事では、新築のコンセント計画において絶対に失敗しないためのシミュレーション方法から、リビングやキッチン、収納内部に至るまで「ここに設けておいて本当に良かった!」と絶賛されるおすすめの配置場所について徹底的に解説します。電気工事が終わってからでは取り返しがつきません。打ち合わせの最終段階で、必ずこの鉄則をチェックしてください。
注文住宅の後悔ポイント第1位は「コンセントの配置ミス」
家づくりにおいて、外壁の色やキッチンのグレードといった目立つ部分には誰もが全精力を注ぎ込みますが、「コンセントの位置と数」の打ち合わせになると、図面上の小さな記号(⑾のようなマーク)を眺めるだけで「まあ、標準の数でいいか」「設計士さんが適当にやってくれるだろう」と、適当に流してしまう人が非常に多いです。
しかし、現代の生活はスマートフォン、タブレット、ロボット掃除機、スマートスピーカーなど、過去とは比べ物にならないほど多くの「電源を必要とするガジェット」に囲まれています。これらをどこで充電し、どこで使うのかを緻密に計算しておかなければ、新居はあっという間にタコ足配線だらけになってしまいます。
まずは、なぜコンセントの配置ミスがこれほどまでに施主を後悔させるのか、その根本的な理由と、高級注文住宅における配線の「美観」への影響について解説します。
住み始めてからでは遅い!配線工事の後戻りができない理由
壁の中に電線を通す工事は、壁紙(クロス)を貼る前に行われます。家が完成した後に「やっぱりここに追加したい」と思っても、壁を壊す大工事になってしまいます。
コンセントの増設や移動は、家を建てる前の図面打ち合わせの段階であれば、1箇所あたりたったの「数千円(3,000円〜5,000円程度)」で簡単に追加・変更することができます。しかし、いざ家が完成し、壁紙が綺麗に貼られた後に「コンセントが足りない!」と気づいた場合、事態は極めて深刻です。
完成後にコンセントを新設しようとすると、壁紙を剥がし、壁の内部である石膏ボードに穴を開け、床下や天井裏から新たな電線を引っ張ってくるという大掛かりな電気工事が必要になります。これには数万円〜十数万円という高額な費用がかかるだけでなく、最悪の場合は構造上どうしても電線を通すことができず、壁の表面にプラスチックの配線カバー(モール)を這わせるという、非常に不格好な仕上がりになってしまいます。
そのため、コンセントの位置と数は「図面上で確定した時点で、ほぼ変更が効かない一発勝負」だと認識しなければなりません。「足りなければ後から延長コードで引っ張ればいい」という安易な考えは、新築の満足度を著しく低下させる危険な罠なのです。
高級注文住宅において「延長コード」は空間の美しさを破壊する
せっかく数千万円かけて美しい間取りや高級な無垢床を採用しても、床の上を黒や白の「延長コード」が這い回っているだけで、空間の邸宅感は一瞬にして崩壊します。
積水ハウスのファミリースイートや、住友林業のビッグフレーム構法で作る大空間リビングなど、美しさと開放感にこだわった高級注文住宅において、最も目障りな存在(ノイズ)となるのが「家電の配線」です。
例えば、リビングの真ん中に置いたソファでスマホを充電したい時、近くにコンセントがないために、部屋の隅の壁から長い延長コードを引っ張ってきたとします。美しいウォルナットの床の上に、だらしなく這うコード。それに足を引っ掛けてしまう危険性。来客時に慌ててコードを隠す見苦しさ。これらはすべて、事前のコンセント計画の甘さが招いた結果です。
高級ホテルの部屋を思い浮かべてみてください。延長コードが床を這っていることなど絶対にありません。必要な場所に必要なだけのコンセントが、目立たないように、しかし確実に配置されています。家を「ホテルライク」や「生活感のない洗練された空間」にしたいのであれば、高額な家具を買うよりも前に、すべての家電のコードをいかに隠し、最短距離でコンセントに繋ぐかを徹底的に計算し尽くす必要があるのです。
コンセント計画を成功させるための「生活動線のシミュレーション」
コンセントの打ち合わせで失敗しないための最大の秘訣は、「設計士任せにしないこと」です。設計士は建築のプロであって、「あなた方家族が、どこでスマホを充電し、どこで扇風機を回すのか」というプライベートな生活習慣までは把握していません。標準的な位置にコンセントを配置してはくれますが、それがあなたのライフスタイルに合致するとは限らないのです。
完璧なコンセント計画を立てるためには、図面の上に自分たちの家具を配置し、そこで暮らす家族の姿をリアルに想像する「生活動線のシミュレーション(脳内引っ越し)」が絶対に不可欠となります。
ここでは、抜け漏れを防ぎ、必要な場所に的確にコンセントを配置するための、具体的なシミュレーションの手法と、季節によって変わる家電の存在について解説します。
朝起きてから寝るまでの「家電を使うタイミング」を書き出す
間取り図のコピーを用意し、「朝起きてから夜寝るまで、誰が・どこで・何の電化製品を使うか」を赤ペンで具体的に書き込んでいく作業が、成功への最短ルートです。
コンセントの位置を決める際、いきなり図面を見て「この壁に2個、こっちの壁に2個」と適当に割り振っていくのは最もやってはいけない方法です。まずは、現在住んでいる家での生活スタイルをベースに、新居での「1日のタイムスケジュール」を事細かにシミュレーションしてみてください。
「朝6時に起きて、洗面所でドライヤーとヘアアイロンを『同時に』使う」「朝食を作りながら、コーヒーメーカーとミキサーを動かす」「夜はダイニングテーブルで夫がノートパソコンを開き、子供はソファでタブレットを充電しながらゲームをする」といった具合です。
このように具体的な行動を文字に書き起こしていくと、「洗面台のコンセントは2口じゃ足りないから4口必要だ」「ダイニングテーブルのすぐ横の壁に、PC電源用のコンセントがないと不便だ」といった、リアルな必要箇所が次々と浮き彫りになってきます。このシミュレーションを家族全員の目線で行うことで、初めて「自分たちにとっての最適なコンセント配置」が完成するのです。
季節家電(扇風機や加湿器)の配置場所とコードの長さを想定する
テレビや冷蔵庫のような常設家電のコンセントは忘れませんが、「夏しか使わない扇風機」や「冬しか使わない加湿器・クリスマスツリー」のコンセントは、図面打ち合わせの時期によっては完全に頭から抜け落ちてしまいます。
生活動線のシミュレーションにおいて、最も抜け漏れが発生しやすいのが「季節家電」の存在です。特に、一条工務店などの高気密高断熱住宅を建てる場合、冬場の猛烈な乾燥を防ぐために「大型の加湿器」をリビングに複数台設置することがほぼ必須となります(詳しくは全館床暖房の乾燥対策を参照)。この巨大な加湿器をどこに置くのか、そしてその電源をどこから取るのかを事前に決めておかないと、リビングの動線を塞ぐ形で延長コードを這わせる羽目になります。
同様に、夏の扇風機やサーキュレーター、冬の電気ストーブやこたつ、そしてクリスマスツリーの電飾など、「一年のうち数ヶ月しか使わないけれど、使う時は絶対にコンセントが必要になるもの」をリストアップしてください。
これらの季節家電は、部屋の隅や窓際、あるいは部屋の中央など、設置場所がフレキシブルに変わる可能性があります。そのため、「何も置かない予定の壁」であっても、あらかじめ部屋の四隅には必ずコンセントを設置しておくなど、将来の配置変更に対応できる「余裕を持たせた配置」にしておくことが、後悔を防ぐための重要なテクニックとなります。
リビング・ダイニングで絶対に忘れてはいけないコンセント
家族が最も長い時間を過ごし、ありとあらゆる電化製品が集まるリビング・ダイニング(LDK)。ここは、コンセント計画において最も難易度が高く、そして最も失敗が許されない最重要エリアです。
テレビやブルーレイレコーダーといった当たり前の家電だけでなく、現代のLDKには、スマートスピーカー、Wi-Fiルーター、ゲーム機、各種スマホやタブレットの充電器など、無数の「電源を必要とするもの」が存在します。これらをいかに美しく、かつ使いやすい場所に収めるかが、設計士と施主の腕の見せ所です。
ここでは、LDKにおけるコンセント計画で「ここに設置しておいて本当に助かった!」と先輩施主から圧倒的な支持を集める、2つの神配置(床用コンセントとテレビ裏配線)について解説します。
ダイニングテーブルの下(床用コンセント)でホットプレートやPCを使う
ダイニングテーブルの真下の床に「フロアコンセント(床用コンセント)」を設置するのは、もはや注文住宅における絶対的な鉄則(マストオプション)です。
ダイニングテーブルは、食事をするだけでなく、子供が宿題をしたり、親がテレワークでパソコンを開いたりする「多目的スペース」として機能します。ここで絶対に必要になるのが電源です。
家族でホットプレートを出して焼肉やたこ焼きをする時、あるいはパソコンの充電が切れそうな時、近くの壁にしかコンセントがないと、そこからテーブルの上まで、誰かが足を引っ掛ける危険性のある「空中を横断する延長コード」を張らなければなりません。これは見た目が悪いだけでなく、熱いホットプレートをひっくり返す大事故に直結する非常に危険な状態です。
これを完璧に解決するのが、ダイニングテーブルの真下の床面に設置する「フロアコンセント」です。使わない時は床にフラットに収納されており、使う時だけパカッと開いてプラグを挿すことができます。テーブルの脚に這わせるようにしてコードを立ち上げれば、全く邪魔にならず、安全かつスマートに電化製品を使うことができます。これがあるだけで、ダイニングの利便性は劇的に向上します。
壁掛けテレビの裏側に隠す配線と、ルーター類を収納するスペースの確保
壁掛けテレビを採用する場合、テレビの真裏の壁に専用のコンセントを配置し、コードを一切表に見せない「隠蔽(いんぺい)配線」にすることが、美しいリビングを作るための絶対条件です。
高級注文住宅のリビングで非常に採用率が高いのが、スタイリッシュな「壁掛けテレビ」です。しかし、せっかくテレビを壁に掛けても、その下から黒い電源コードやHDMIケーブルがダラーンと垂れ下がっていては、台無しになってしまいます。
壁掛けテレビを採用する場合は、テレビ本体で完全に隠れる位置(壁の真ん中あたり)に、テレビ用の電源コンセントとアンテナ端子を設置してください。さらに、そのコンセントの横から、テレビボードの裏側に向かって壁の中を空洞の管(CD管)で繋いでおく「隠蔽配線」の工事を依頼します。こうすることで、ブルーレイレコーダーやゲーム機と繋ぐケーブル類をすべて壁の中に通すことができ、表からはケーブルが一切見えない、まるで絵画のように美しいテレビ周りが完成します。
また、テレビ周りで意外と見落としがちなのが「Wi-Fiルーター」や「光回線のモデム」の置き場所です。これらは常時電源が必要で、かつ配線がごちゃごちゃして非常に見栄えが悪いため、テレビボードの中に隠すか、あるいは階段下の収納やパントリーなどの「目立たない専用の通信基地局(情報盤)」を作って、そこにすべての通信機器とコンセントを集約させるのが、上級者のスマートな配線テクニックです。
キッチン周りのコンセントは「数」と「ワット数」が命
リビングに次いでコンセントのトラブルが多発するのが「キッチン」です。キッチンは家の中で最も「消費電力の大きい家電」が密集するエリアであり、コンセントの「位置」だけでなく、「数」と「電気容量(ワット数・回路の分け方)」を緻密に計算しておかなければ、毎日のようにブレーカーが落ちるという悲劇に見舞われます。
電子レンジ、オーブントースター、炊飯器、電気ケトル、コーヒーメーカー。これらの調理家電は、どれも一瞬で大量の電気を消費するモンスターばかりです。おしゃれなアイランドキッチンや大容量のカップボード(食器棚)を採用しても、コンセント計画が甘ければ、機能的なキッチンとは呼べません。
ここでは、キッチンのコンセント計画において絶対に守るべき「専用回路(ブレーカー)」の考え方と、調理の効率を爆発的に高める手元コンセントの重要性について解説します。
電子レンジ、炊飯器、ケトルなど高出力家電の同時使用によるブレーカー落ちを防ぐ
一般的なコンセントは「1箇所あたり1500W」が限界です。消費電力が1000Wを超える調理家電を同じコンセントに複数繋ぐと、一瞬でブレーカーが落ちて真っ暗になります。
キッチンの背面にあるカップボード(食器棚)には、炊飯器(約1200W)、電子レンジ(約1300W)、電気ケトル(約1200W)といった高出力の家電がズラリと並びます。朝の忙しい時間帯は、お弁当用のご飯を炊きながら、レンジでおかずを温め、同時にケトルでお湯を沸かす、といった「同時使用」が頻繁に発生します。
この時、カップボードの壁に付いている2口コンセントに、電子レンジとケトルを両方挿して同時にスイッチを入れると、一瞬で「バチン!」とキッチンのブレーカーが落ちます。なぜなら、1つのコンセント(1つの回路)が耐えられる電気容量は最大1500W(15A)までと決まっているからです。
この悲劇を防ぐためには、設計段階で「高出力の家電を置く場所には、それぞれ独立した専用回路(ブレーカーのスイッチが別々になっている電線)のコンセントを設けてください」と、電気図面の打ち合わせで明確に指示を出す必要があります。特に、電子レンジ用、オーブン用、IHクッキングヒーター用(200V)などは、必ず専用回路にしておかないと、後から使い物にならなくて大後悔することになります。「カップボードの上のコンセントは、4口(2口×2箇所)にして、それぞれ別の回路に分ける」というのが、キッチン配線の絶対的な鉄則です。
キッチンカウンターの上(手元)に設けるミキサーやスマホ充電用のコンセント
ミキサーやフードプロセッサーなど、調理台(ワークトップ)の上で使う家電のためのコンセントを、キッチンのすぐ手元に用意しておくことは、家事効率を劇的に向上させます。
カップボード側のコンセントは忘れずに設置しても、意外と見落としがちなのが「シンクやコンロがあるキッチンカウンター側(自分が立って作業する側)」のコンセントです。
料理中にハンドミキサーを使ったり、フードプロセッサーで野菜をみじん切りにしたりする際、キッチンの手元にコンセントがないと、背面のカップボードからわざわざ延長コードを引っ張ってこなければならず、コードが水に濡れたり火に近づいたりして非常に危険で面倒です。また、最近ではスマホでレシピ動画を見ながら料理をする人も多いため、スマホの充電用としても手元コンセントの需要は爆発的に高まっています。
アイランドキッチンやペニンシュラキッチンを採用する場合は、キッチンの側面の壁(立ち上がり部分)や、ワークトップの奥(水がかからない位置)に、コンセント(またはUSBポート付きコンセント)を必ず設置してもらうようにしてください。パナソニックなどの大手キッチンメーカーであれば、最初から手元コンセントが内蔵されているモデル(クッキングコンセント)も選べるため、設計士と相談して確実に導入することをおすすめします。
収納内部(クローゼット・パントリー)の隠しコンセントの重要性
コンセントは「部屋の壁」にあるもの、という固定観念に囚われていると、家づくりにおいて非常に重要な「収納内部のコンセント」を見落としてしまいます。
現代の便利な家電の中には、「使っていない時(充電中)は、できるだけ視界に入らない場所に隠しておきたい」というものが多数存在します。その筆頭が、ロボット掃除機やコードレス掃除機といった掃除用具です。これらをリビングのど真ん中にドンと置いて充電するのは、美観を損ねるだけでなく、歩く際の邪魔にもなります。
ここでは、高級注文住宅の生活感を極限まで消し去るためのテクニックとして、収納の扉の中に仕込む「隠しコンセント(充電ステーション)」の具体的な配置場所と、その圧倒的なメリットについて解説します。
ロボット掃除機(ルンバ)の基地となる階段下やパントリーの足元配線
ルンバなどのロボット掃除機には「専用の基地(帰還場所)」が必要です。階段下のデッドスペースや、パントリーの最下段にコンセントを設け、そこをルンバの家にしましょう。
外出中に勝手に部屋を綺麗にしてくれるロボット掃除機は、今や新築住宅の必需品とも言える家電です。しかし、意外と大きく存在感のある充電ステーション(基地)を、リビングの壁際に無防備に設置してしまうと、せっかくの美しいインテリアの中で猛烈な異物感を放ってしまいます。
これを解決するのが、設計段階であらかじめ「ルンバの基地(ルンバ基地)」を作っておくという手法です。最も人気があるのは、階段下のデッドスペースや、パントリー(食品庫)の一番下の棚板を少し開けておき、そこにコンセントを設置してルンバを隠す方法です。
さらに上級者になると、リビングのクローゼットの扉の「一番下(床面から10cm程度)」だけをあえて切り取って隙間を作り、扉を閉めたままでもルンバが勝手に収納の中へ帰っていけるように設計するケースもあります。これにより、リビングからはルンバの姿も充電のコードも完全に消え去り、生活感のない完璧な空間を維持することができます。ロボット掃除機の導入を少しでも考えているなら、この「基地用コンセント」は絶対に忘れないでください。
コードレス掃除機の充電用コンセントをクローゼット内に確保する
ダイソンなどのコードレススティック掃除機を、壁に立てかけたまま充電して収納できるように、廊下やリビングのクローゼットの中(高い位置)にコンセントを設置します。
ロボット掃除機と並んで普及率が高いのが、ダイソンやマキタなどの「コードレススティック掃除機」です。サッと取り出してすぐに使えるのが魅力ですが、充電用のブラケット(壁掛けツール)をリビングの目立つ壁に設置してしまうと、常に掃除機が視界に入り、非常にだらしない印象を与えてしまいます。
コードレス掃除機は、リビングや廊下にある「扉付きのクローゼット(掃除用具入れ)」の中に収納し、その扉の中で壁に掛けて充電できるようにするのが最もスマートな方法です。
そのためには、クローゼットの中の壁(床から1m〜1.5mくらいの掃除機を壁掛けする高さ)に、専用のコンセントを忘れずに設置しておく必要があります。収納の中にコンセントがあるという発想は素人ではなかなか思いつきにくいため、図面打ち合わせの際に自ら「この収納の中に、掃除機充電用のコンセントをつけてください」と明確に指示を出さなければなりません。この一手間が、入居後の「生活感のなさ」を決定づける重要なポイントとなります。
寝室と書斎における「ベッド・デスクの配置」とコンセントの関係
LDKの次にコンセント計画で失敗しやすいのが、寝室や書斎(テレワークスペース)といったプライベートな空間です。これらの部屋は、ベッドや大きなデスクといった「大型家具」の配置によって、コンセントが隠れて使えなくなってしまうというトラップが頻発します。
「壁にコンセントはあるけれど、そこにベッドを置いたらコンセントが塞がってしまって、スマホの充電ができない!」という悲劇は、図面上で家具のサイズと配置を正確にシミュレーションしていなかったために起こります。
ここでは、寝室におけるスマホ充電の最適解と、タコ足配線になりがちな書斎(デスク周り)のコンセントの数と位置について、絶対に失敗しないための法則を解説します。
ベッドの高さとナイトテーブルに合わせた、スマホ充電用の最適な高さ
寝室のコンセントは「床に近い標準の高さ」にしてはいけません。ベッドのマットレスやナイトテーブルの高さに合わせて、少し高め(床から50cm〜70cm程度)に設置するのが正解です。
寝室において最もコンセントを使う用途、それは間違いなく「就寝中のスマートフォンの充電」です。ベッドの頭側(ヘッドボードの近く)には、夫婦それぞれが使えるように、左右に1箇所ずつコンセントを配置するのが基本となります。
ここで最大の注意点となるのが「コンセントの高さ」です。通常、家中のコンセントは床から約25cmの高さに統一して設置されます。しかし、寝室のベッド周りのコンセントをこの標準の高さにしてしまうと、ナイトテーブル(サイドテーブル)を置いた際にコンセントがテーブルの裏に完全に隠れてしまい、プラグを挿すのに毎回テーブルを動かさなければならなくなります。
これを防ぐためには、設計段階で「購入予定のベッドの高さ」や「ナイトテーブルの高さ」を正確に把握し、そのテーブルの天板のすぐ上(床から50cm〜70cm付近)にコンセントがくるように「高さ指定」を行ってください。これにより、ベッドに寝転がったままスムーズに充電ケーブルを抜き差しできる、ストレスフリーな寝室環境が完成します。可能であれば、USBポートが直接挿せるタイプのコンセントを採用すると、さらに便利でスッキリとした見た目になります。
テレワーク用のデスク周りに必要なタコ足配線を防ぐ十分な口数
パソコン、モニター複数台、プリンター、スマホ充電器、卓上ライト、シュレッダーなど、書斎のデスク周りは家の中で最もコンセントの「口数」を必要とする魔のエリアです。
テレワークの普及により、新築時に専用の書斎やワークスペースを設ける方が増えています。しかし、デスク周りのコンセント計画を甘く見積もり、標準の2口コンセントを1箇所だけ設置して済ませてしまうと、入居直後に巨大なタコ足配線の電源タップを持ち込むことになり、せっかくのおしゃれな書斎が配線地獄と化してしまいます。
デスク周りには、最低でも「4口(2口×2箇所)」、できれば「6口」のコンセントを設置することを強く推奨します。さらに、その位置も非常に重要です。床付近にコンセントを設置すると、足元にケーブルが垂れ下がって掃除の邪魔になるため、造作デスクを採用する場合は、デスクの天板の上(PCやスマホ用)と、天板の下(プリンターやルーター用)の両方にコンセントを分散させて配置するのがプロの設計術です。
また、デスクの天板にケーブルを通すための「配線孔(丸い穴)」を開けてもらい、デスク下のコンセントに繋がるように設計すれば、机の上には一切のケーブルが這わない、究極に美しいワークスペースを実現することができます。仕事の効率やモチベーションに直結する部分ですので、書斎のコンセント数はケチらず、出し惜しみせずに最大限確保してください。
忘れがちな「屋外」と「玄関」のコンセント活用法
家の内部(居住空間)のコンセント計画に全精力を使い果たし、打ち合わせの終盤で適当に決めてしまいがちなのが、「玄関」と「屋外(外壁)」のコンセントです。
実は、新築一戸建てにおいて「屋外の電源」は、マンション生活では想像もつかないほど多様な用途で活躍します。また、玄関周りも近年、新たなガジェットの登場によって電源の需要が急増しているホットスポットです。
ここでは、設計士も提案を忘れがちな、しかし入居後には絶対に「つけておいて良かった!」と感動する、玄関と屋外における必須のコンセント配置術について解説します。
玄関のシューズクローク内で電動自転車のバッテリーを充電する
子育て世代に絶対に忘れてほしくないのが、玄関(またはシューズクローク内)に設ける「電動アシスト自転車のバッテリー充電用コンセント」です。
幼稚園の送り迎えや買い物に大活躍する電動アシスト自転車ですが、その巨大で重たいバッテリーの充電場所は、意外と新居の中で確保し忘れることが多い盲点です。泥のついた重たいバッテリーを、わざわざリビングの中まで持ち込んで充電するのは衛生的にも導線的にも非常に大きなストレスとなります。
そこで大正解となるのが、玄関の土間続きにある「シューズクローク(靴の収納庫)」の中、あるいは玄関ホールの隅に、バッテリーを床(または下段の棚)に置いたまま充電できるコンセントを設けておくことです。これなら、外から帰ってきてすぐにバッテリーを外し、玄関内でスマートに充電を完了させることができます。
また、玄関周りのコンセントは、雨の日に靴を乾かすための「靴乾燥機」を使ったり、来客時にアロマディフューザーを置いたり、あるいはクリスマスの時期にリース型の電飾を飾ったりと、バッテリー充電以外にも様々な用途で大活躍します。玄関は「家の顔」ですから、表からは見えにくい(収納の中や足元の死角になる)位置に、必ず1〜2箇所のコンセントを確保しておきましょう。
庭の芝刈り機やクリスマスのイルミネーション、高圧洗浄機用の外部コンセント
屋外(外壁)に設置する防水コンセントは、将来の庭でのアクティビティやメンテナンス作業において、絶対になくてはならない生命線となります。
一戸建ての醍醐味である「庭」を楽しむためには、家の外壁に設置する「外部コンセント(防水コンセント)」の存在が不可欠です。ハウスメーカーの標準仕様で1箇所だけ(給湯器の近くなど)ついていることが多いですが、家の広さや庭の形状によっては、全く足りなかったり、使いたい場所に延長コードが届かなかったりするトラブルが発生します。
外部コンセントの代表的な用途としては、洗車や外壁・土間コンクリートの汚れを落とすための「高圧洗浄機(ケルヒャーなど)」の電源、庭の「芝刈り機」の電源、冬場の「イルミネーション」の電源、そして最近増えている「防犯カメラ」の電源などが挙げられます。
これらを快適に使うためには、最低でも「家の正面(駐車場側)」と「家の裏側(メインの庭側)」の対角線上に、2箇所の外部コンセントを設置しておくのが理想的です。また、将来的に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)を購入する可能性がある場合は、駐車場の近くに「EV充電専用の200Vコンセント」をあらかじめ設計に組み込んでおくことを強く推奨します。後から電気自動車用の配線を外壁に露出で追加するのは、高級注文住宅の外観を著しく損なうからです。
【まとめ】コンセントは「多すぎるかな?」と思うくらいがちょうどいい
新築の高級注文住宅における、絶対に後悔しないコンセントの配線計画の鉄則について解説してきました。家が完成し、壁紙が綺麗に貼られた後に「ここにコンセントがあれば…」と後悔しても、時すでに遅しです。美しく洗練された空間を維持するためには、家電の配線をいかに見えなくするかが勝負の分かれ目となります。
コンセントの打ち合わせで最も大切なのは、「自分の1日の生活動線を、図面上でリアルにシミュレーションすること」です。どこでスマホを充電し、どこでルンバを隠し、どこでホットプレートを使うのか。これを家族全員で細かく想像し、必要な場所に的確に配置していく作業は、骨が折れますが絶対に手を抜いてはいけません。
コンセントの増設費用は、1箇所あたり数千円という、家づくりの総額から見れば誤差のような金額です。「使わないかもしれないけれど、迷ったらとりあえず付けておく」というスタンスで、設計士が提案する標準の数よりも「多め・多め」に設置しておくのが、最終的に新居の満足度を最も高めるための確実な自己投資となります。後からタコ足配線や延長コードで美しい新居を台無しにしないよう、悔いのない配線計画を完成させてください。
注文住宅会社があなたの要望や希望に基づいて、家づくりに必要な、「間取りプラン」「資金計画」「土地探し」を無料でご提案してくれます。
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